写真展「ザ・ファミリー・オブ・マン」(人間家族)が8月12日、日本橋高島屋S.C.本館8階ホール(中央区日本橋2)で始まった。主催は、日本経済新聞、高島屋。
1956(昭和31)年に同店で開催された写真展を70年ぶりに再構成した同展。世界各地で撮影された、人の暮らしなどを捉えた写真を紹介する。
「ザ・ファミリー・オブ・マン」は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の写真部長を務めた写真家・エドワード・スタイケンが企画し、1955(昭和30)年に同館で初開催された。世界68カ国、273人の写真家が撮影した503点で構成し、誕生、愛、家族、仕事、戦争、死など、人間に共通する営みを写真で描いた。冷戦下の世界で、人種や国境を越えた「人間は一つの家族」というメッセージを発信した写真展として知られる。
その後、世界各地を巡回し、日本では翌1956年3月、日本橋高島屋を皮切りに全国20カ所を巡回し100万人を動員した。
今回は、日本経済新聞社の創刊150周年と2027年に日本・ルクセンブルクが外交関係100周年を迎えることを記念し、回顧展として企画。場内は「プロローグ」「恋人たち」「母と子」「家族」「死」「正義と人権」など12のテーマで構成し、オリジナルから厳選したレガシー作品120点を展示する。アンリ・カルティエ=ブレッソン、ロバート・キャパ、ドロシア・ラングら20世紀を代表する写真家が捉えた人間の姿をテーマ別にたどる。
展示では、写真を単独の作品として並べるだけでなく、異なる国や文化の人々の表情や暮らしを組み合わせることで、時代や地域を超えて共通する人間の喜びや悲しみ、家族への思いなどを浮かび上がらせる。70年以上前の写真でありながら、戦争や人権、家族、命といった現代にもつながるテーマを問いかける構成となっている。
回顧展に続くコーナーでは、ルクセンブルクで現在活動する写真家6人による作品50点を紹介。さらに日本経済新聞の写真記者による作品も展示する。1955(昭和30)年開催の展覧会が掲げた「人間家族」というテーマを現代の視点から捉え直し、多様化する家族や社会、人と人との関係などを表現。70年前の作品と現代の写真を同じ会場で見比べることで、「家族」や「人間」の意味の変化と変わらない部分を考える展示とした。
今回、1956(昭和31)年に同展を受け入れた日本橋高島屋が、70年の時を経て再び会場となる。戦後復興期の日本で紹介された「人類愛と平和」というメッセージを、社会情勢や価値観が大きく変化した現在に改めて問いかける。
開催時間は10時30分~19時30分(最終日は18時まで、入場は閉場30分前まで)。入場料は、一般=1,200円、大学・高校生=1,000円、中学生以下無料。8月24日まで。