徳川家光が描いたウサギとミミズクをモチーフにしたぬいぐるみを制作した京都芸術大学の学生2人がぬいぐるみを携えて8月20日、日本橋を出発した。東海道の宿場を巡りながら27日の京都到着を目指すプロジェクト「家光のゆる絵、東海道をゆく」の一環。
同プロジェクトは、京都府や京都市などで構成する「寛永行幸四百年祭実行委員会」が展開する「寛永行幸四百年祭」の記念事業。1626年、江戸幕府3代将軍・徳川家光らが後水尾天皇を二条城に迎えた「寛永行幸」から今年で400年を迎えることを記念して企画した。
旅をするのは、家光筆の「兎(うさぎ)図」と「木兎(みみずく)図」をモチーフにした2体のぬいぐるみを制作した京都芸術大学美術工芸学科染織テキスタイルコース2年の内藤晴花さんと仲村きねさん。内藤さんがミミズク、仲村さんがウサギの制作を担当した。
出発に先立ち、2人は同日午前、白華山養源寺(文京区千駄木)を訪れ、同寺が所蔵する家光筆「木兎図」の実物と対面。14時には日本橋に移動し、同大准教授の矢津吉隆さん、寛永行幸四百年祭総合プロデューサーの濱崎加奈子さん、同実行委員長の梅原和久さんらに見送られ、最初の宿場となる品川宿へ向けて出発した。
今回の旅では、400年前に家光が上洛した東海道の道筋をたどる。日本橋を出た2人は品川、川崎を経て西へ進み、小田原城、駿府城、掛川城、浜松城、吉田城、岡崎城、名古屋城など、家光ゆかりの城や宿場を巡る。さらに近江では水口宿や永原御殿などを経て京都に入り、27日に二条城を目指す。
旅の目的は、400年前の道を再現するだけではない。ぬいぐるみを「各地を経由しながら京都へ向かう存在」に見立て、沿道の歴史や文化、宿場の魅力を探求。寛永行幸に全国の大名が京都へ集まった歴史を、現代の東海道57次をつなぐ取り組みとして表現する狙いもある。2人は沿道各地の人々と交流しながら、その様子を発信するという。
400年前の寛永行幸では、後水尾天皇、中宮で徳川秀忠の娘・和子(後の東福門院)、公家衆ら朝廷方と、家光や全国の大名ら幕府方が参加。総勢約9000人の行列となり、大坂夏の陣後の公武融和と平和の時代の到来を示す行事になったという。2026年の四百年祭では行幸行列の再現のほか、「寛永文化」ゆかりの展覧会や装束などの復元、各地域との連携事業を展開する。